背中のボヨヨンこぶ(粉瘤)の切除手術をしました|飲み薬・塗り薬では治らないんであります!
知らず知らずのうちに大きくなった背中のボヨヨンとしたこぶ。
このこぶの正体は、皮膚の下にできた袋に、通常なら垢(あか)となって剥(は)がれ落ちる皮脂や角質といった肌の老廃物が溜(た)まって大きくなったものです。
飲み薬・塗り薬では治らないんであります! 手術で切除しました。
これから、粉瘤(=アテローム)の治療を考えている方の参考にと思い、粉瘤切除手術の体験記を書いてみました。
目次
背中のボヨヨンこぶ(粉瘤)で皮膚科受診
粉瘤(=アテローム)というものを初めて経験したのは、今から18年以上も前のことになります。
背中にできた出来物、最初はほとんど気づきませんでした。
そのうち、イスの背もたれに背中が触れた時とか、お風呂で背中を洗っている時とかに「なんか出来物があるな」と感じました。
触ってみると、柔らかい弾力性のあるこぶのようなものでした。特に痛いわけでもなかったのですが、大きさが3センチくらいに膨らみ不安だったので、近くの皮膚科医院を受診しました。
どうしましたか?
背中にこぶのようなものができたんですよ。
どこですか、見せてください。
ああ~、これはね、「にきび」のようなものです。
手術しましょう!
この後、手術室の手術台にうつ伏せに寝せられて手術開始。
手術といっても、粉瘤をメスでちょっと切って中身を絞り出すといった簡単なものでした。麻酔なしでやったと思いますが、特に痛みはありませんでした。
手術後、傷を消毒して四角いガーゼ 付き 絆創膏(ばんそうこう)を張り付けて終了。
はい、終了しました。
あとは、毎日、傷口を消毒して絆創膏(ばんそうこう)張り替えてください。
はい、わかりました。
ボヨヨンこぶは中身を絞り出して治すんだね~
この頃は、粉瘤という病名も粉瘤の中身が何なのかもわからず、ただ医師の言っていた「ニキビのようなもの」という認識で、「また大きくなったら中身を絞り出してもらおう」という感じでした。
まさか、18年後に患部を切開して、粉瘤を袋ごと切除するような手術をするようになるとはまったく想像できませんでした。
背中のボヨヨンこぶ(粉瘤)再発
18年くらい前に中身を絞り出してもらった粉瘤が、知らず知らずのうちに4センチくらいに大きく膨れてきました。
大きくなっても、特に痛みがあるわけじゃないし、このままにしておこうかと思いました。
しかし、夏場にTシャツ姿になると粉瘤がTシャツからはみ出すみたいで、家族から「みっともないので、また皮膚科へ行って治してもらったら」言われました。
痛い手術でもないし、時間もちょっとだし、皮膚科へ行って中身を絞り出してもらおうと思って、再度、前に行った皮膚科へ行くことになりました。
前に行った皮膚科を受診
どうしましたか?
前に治してもらった背中のこぶがまた膨(ふく)れてきたんですよ。
私が話し始めると、皮膚科の医師は話を最後まで聞こうとせず、なんかすごく動揺しているというか、あわてだして。
あっ、これはね。飲み薬や塗り薬では治らないんですよ。
手術しないとね。
いま、近くの形成外科の病院に紹介状を書きますから
私的には、「前のように手術で中身を絞り出してもらう」ということしか頭になかってので、再度
あの~、前のように手術で・・・・・・・・・・
私が何を聞こうとしても、まったく返答なし。じゃ~、せめて病名だけでも聞いておこうと思い、
これは、何という病名なんですか?
粉瘤(ふんりゅう)というものです。
紙に漢字で「粉瘤」と書いて教えてくれました。あとは、一切説明なし。
なんで、この医師はあわてたような感じになったんだろう。「再発したぞ~、どうしてくれんだよ」なんて言ったわけではないのに。
思うに、この医師の18年前の処置がその場しのぎの間に合わせなもの(中身を絞り出すのも治療法の1つなんでしょうが)で、しっかり治せないで再発したため、ばつが悪かったためでしょうか。
それはさておき、どんな手術するんだか、ぜんぜん説明してくれなかったんで、紹介された形成外科に行くしかないのかなと気持ちを切り替え、
紹介状をもらって、すぐさま紹介された形成外科へ向かいました。
紹介された形成外科受診
皮膚科からの紹介状を見て、
これは、手術になります。
袋ごと根っこから取らないと再発します。
そうですか
手術は60分程度かかります。
局所麻酔し、その部分を5~6センチ切開して切除。そして縫い合わせる手術になります。
費用は4センチくらいなので、約一万円になります。
はいわかりました。
手術前に感染症などの検査が必要なので血液検査を実施します。
B型・C型肝炎、梅毒などの検査のようですが、これは免疫力が低下した状態での手術を避けるためだと思われます。
わかりました。
この後、約1か月後の手術日が決まり、最後に感染症の検査のための採血で形成外科での初診は終了しました。
粉瘤摘出手術のため形成外科再診
予約時間(16時25分)の10分前くらいに病院到着し、受付を済ますと、ほどなく呼ばれ手術室へ
手術室では上半身裸になり手術台にうつ伏せ。
頭のところにはドーナッツ型のクッション、左右の腕の下にもクッションを敷いているので、痛いとかとはないのですが、
さすがに、60分の手術で同じ姿勢でいると、腕とかが痺(しび)れてくるので頭とか左右の腕を上げ下げしなければなりません。
これが結構しんどかったです。
初めての粉瘤切除手術
手術台での腕とか痛くならないためのクッション調整も終わり、いよいよ手術の始まりです。
それでは、手術始めます。
はい、よろしくお願いします。
うつ伏せ状態で手術の様子は見れないので、音と皮膚感覚での手術実況になります。
まずは、患部を消毒。その後、上から背中に布切れのようなものが掛けられ、患部の部分がくり抜かれました。
麻酔を注射しま~す。ちょっとチクチクします。
医師が言うように、ちょっとチクチクするだけです。
が
5か所か6か所くらいで麻酔注射は終わるのかなと思っていたんですが
もう一本
もう一本
てな具合(ぐあい)に、新しい注射液を医師が看護師に要求するではありませんか。
数えていませんでしたが、もう10か所は軽く超えていると思います。
まだ、注射やるの。もう、チクチクも限界だよ~。
早く終わってくれ~(心からの叫び)
この心の叫びが通じたのか、チクチク感がなくなりました。麻酔が効いてきたのでした。この後も注射が続きましたが、何にも感じませんでした。
さー、これから患部の執刀が始まります。パチパチパチッ、パチパチパチッという音がしました。これは電気メスの音のようでした。
手術後、医師に聞いたらやっぱり電気メスだったそうです。
電気メスで5~6センチ切れ目を入れ、患部を開いて少しずつ粉瘤の袋を根っこから丁寧(ていねい)に切り離しているんでしょうが、
麻酔が効いているんで、「背中で何かやってるのかな」という、かすかな皮膚感触があるだけで痛くも何とありません。
手術開始から40分くらい過ぎた頃でしょうか、今までとちょっと違った皮膚感触と音が感じられました。
いよいよ、最後の仕上げの切った傷の縫い合わせが始まったようです。この傷の縫い合わせの時も痛くも何ともありませんでした。
これからほどなくして、医師から看護師さんに選手交代。
縫い合わせた患部を消毒し、化膿止めの軟膏を塗ってガーゼでおおい、絆創膏で固定しているようでした。
これで、粉瘤切除手術は終了しました。
手術中は、前に述べたように痛くも何ともなかったのですが、手術後は、縫い合わせた部分が左右にひっぱりあってヒリヒリしました。術後二日くらい続きました。
うつ伏せ状態を解いて、手術台から降りると医師が近くのデスクの上にある切除した粉瘤を指さして
これが、切除した粉瘤です。
なにこれ、焦(こ)げ目のついてない「たこやき」じゃん!
まん丸の袋状の粉瘤が、まるでお月見のお供え団子のようにデスクの上に置かれていました。
今後について説明します。
まずは明日、傷口の状態を確認するため必ず受診してもらいます。
その他に言われたことをまとめると
- 傷が治るまで約二週間。毎日、傷口を消毒して化膿止めの軟膏を塗り、ガーゼをあてて絆創膏で固定する。
- 手術後一週間は傷口をぬらさない。入浴時にはぬれないように気を付け、汗をかく運動は避ける。
- 切除したものは検査に出して調べます。結果は約一週間後に出ます。
- 縫(ぬ)った糸の抜糸は手術後一週間後に半分、二週間後に残り半分を抜糸する予定です。
はい、わかりました。
この後、炎症を抑える薬(飲み薬と塗り薬)、痛み止め(飲み薬)、消毒液が処方され近くの薬局で薬をもらいました。
ただ、ガーゼと絆創膏は別に自分で用意することになります。
術後の経過
9月5日(手術当日)
縫い合わせた部分の皮膚が左右にひっぱりあっているせいか、ツッパリ感があり、チクチクピリピリする。痛みはありません。
9月8日(手術から3日目)
チクチクピリピリしなくなったが、ツッパリ感と背中に何か異物が張り付いているような感じ。
9月10日(手術から5日目)
ツッパリ感と背中に何か異物が張り付いているような感じ。プラス、絆創膏を貼った部分が「かゆ~い、かゆい」
かゆみ止めを塗って対処。
9月22日(手術から17日目)
この頃になると、背中に何か異物が張り付いているような感じもなくなり、かゆみも9月20日の抜糸完了後は絆創膏も貼らなくなったので改善(かゆみ止めを塗ったせいもあり)
ただ、ツッパリ感だけは、背中がピーンと伸びるとまだありました。
手術から1ヶ月
その人、その人で違うと思いますが、私の場合は普通の状態になるのに1ヶ月前後かかりました。
背中を5~6センチ切り裂いての粉瘤切除手術というのは、手術中より手術後が「しんどくて面倒くさい」というのが率直な感想です。(痛いとか苦しいというこではないですが)
粉瘤摘出手術後の通院
傷口確認のための通院(手術日の翌日)
医師が傷口を見て
傷口は順調ですね。
はい。
次は一週間後に糸の半分を抜糸します。
はいわかりました。どうもありがとうございました。
傷口が化膿しているわけでもなかったので、診察はすぐに終了しました。
抜糸(半分)のための通院(手術日から1週間後)
糸をパッチン、パッチン。ほんの数分で終わりました。
傷口は順調です。
今日からシャワー浴びてもいいです。
はい、わかりました。
傷口は順調でも、絆創膏を貼ったところが「かゆ~い、かゆい」
抜糸(残り半分)のための通院(手術日から2週間後)
2回目の糸をパッチン、パッチン。今回も、ほんの数分で終わりました。
今回ですべて終了となります。
糸が溶(と)けるのは6ヶ月くらいかかります。
はい。
抜糸と言っても、体の外にある糸の部分だけで、体内に入っている糸の部分は体内の水分に触れ、加水分解して溶けてなくなるということなんですね。
手術から10ヶ月たった手術跡の状態
手術から10ヶ月後の手術跡です。背中をバッサリ切って縫い合わせた場合、傷痕(きずあと)はしっかり残るんですね。
手術の方法には、背中をバッサリ切ってやる方法以外に、皮膚に小さい穴を開けてそこから袋ごと吸い出す方法(くりぬき法)というもあり、この方法だと傷痕(きずあと)が小さくて済むようです。
くりぬき法は粉瘤の大きさが5mm~5cm未満(私のは4㎝)であれば一般的に行われる方法みたいですが、私の手術をやった医師は年配の方だったので、従来の術式しかできなかったのかもしれません。
粉瘤摘出手術のためにかかった費用の総額はいくらだった
皮膚、皮下腫瘍摘出術(粉瘤切除手術)での粉瘤データ
・露出部(顔、頭、首、肘から指先まで、膝から足先まで)以外
・長径3センチメートル以上6センチメートル未満(私の粉瘤の大きさは4センチ)
皮膚科と形成外科でかかった費用の合計は3割負担で19,800円になりました。なお、手術を行ったのは2019年(令和元年)9月です。
この内訳は以下のとおりです。
8/05 皮膚科で初診 1,600円(初診料+紹介状料)
8/05 形成外科で初診 3,220円(初診料+血液検査料)
9/05 形成外科で手術 13,220円(再診料+麻酔などの投薬料+手術料+病理検査料(がんの検査))
9/05 薬局 620円(炎症を抑える薬(飲み薬と塗り薬)、痛み止め(飲み薬)、消毒液)
9/06 形成外科で傷口確認 380円(再診料+処置料)
9/13 形成外科で抜糸(半分)380円(再診料+処置料)
9/20 形成外科で抜糸(残り半分)380円(再診料+処置料)
日本生命の総合医療特約で粉瘤の手術給付金でました
私は日本生命の個人年金保険に総合医療特約を付けています。
粉瘤の切除手術で手術給付金が出るのか、ヤフー知恵袋で調べたら「でるわけないよ」との回答があったので、「でないんだー」とがっかりしましたが、
だめもとで、ニッセイコールセンター(フリーダイヤル)へ電話して「粉瘤の切除手術で手術給付金が出るのか」問い合わせてみました。
すると、なんとなんと「でます」との即答でした。
さっそく、申請書を取り寄せて、必要書類を添付して申請。1週間ほどで預金口座に手術給付金が振り込まれました。
金額は、入院日額(1万円)× 5 = 50,000円。手術代を払っておつりがきました。
粉瘤切除手術で学んだこと
最後に今回の粉瘤切除手術で学んだことを2つお伝えします。
1、粉瘤の治療は早め(小さいうち)にやる
私の粉瘤は露出部以外にできた4センチの大きさだったので手術料(初診料、再診料、処方料、薬剤料などを除く)は約1万円でしたが、
粉瘤の大きさが3センチ未満なら、手術料は半分以下になります。(令和2年度 診療報酬点数を参考)
(計算式 ) 診療報酬点数 ×10倍=10割負担の金額、10割負担の金額×0.3= 3割負担の金額
(3センチ未満) 1,280点 ×10倍=12,800円、12,800円×0.3= 3,820円(3割負担の金額)
また、小さいうちに切除しておけば、術後の負担(ヒリヒリ感、つっぱり感など)が少なくて済んだかもしれません。
2、最初から手術ができる病院へ行く
最初から手術のできる病院(皮膚科か形成外科)に行っていれば、初診料+紹介状料=1,600円が節約できました。
よって、最初から手術のできる病院(皮膚科か形成外科)に行ったほうがよい。ただし、400床以上の大病院は紹介状なしで受診すると、
初診料の他に「選定療養費5,500円」を徴収されますので、大病院以外の手術のできる病院がおすすめです。
ちなみに、私の住んでいる仙台では、仙台市立病院、仙台医療センター、東北大学病院などが大病院になります。
【粉瘤】は、目立たないところにあるんであれば特に問題はないので、そのまま「ほったらかし」にしている人が多数いるのではないかと思います。
しかし、「ほったらかし」にしていると、肥大化して炎症をおこし、激痛と悪臭に見舞われている方もいるようですので、「ほったらかし」ではなく早めに治療しましょう。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。